2008年04月23日
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか/01年入社ミレニアム内定の葛藤
『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』城繁幸著―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
本書の中では1つの会社に年功序列で定年まで勤める昭和的価値観を否定し、そんな会社はとっとと辞めて実力社会のたとえば外資系企業に転職することを是とした内容になっている。
そしてそのような昭和的価値観での企業は早晩淘汰され消えていくと指南している。
本書の中では「時代は変わった」と喧伝しているが、今もなお昭和的価値観で企業に勤めている人は少なくない。
私は1度会社を辞めている。
新入社員研修では「自分は絶対に辞めない」と言っていたのが懐かしく感じられる。
基本的にまず間違いないことは、「辞めたい辞めたい」と会社で愚痴をこぼす人間ほど定年までその会社を全うする。
たった一回の転職の経験から断定するのはよくないが、その一回の経験から感じることは1つの会社で定年まで勤めるということはそれはそれで美学だと私は思う。
辞めてみて初めてその会社の良い部分も見えてくるのだろうし、辞めて初めて「やっぱり辞めて良かった」と振りかえることもできる。
当たり前のことだが、転職という機会をステップアップのチャンスに換えることができるかどうかはその人自身にかかっているのだ。
さて、本書の中で大きく納得した部分があるので紹介したい。
確かに、2001年は色々な意味での節目だった。日経平均がついに1万円を割り、期待と不安の中で誕生した小泉政権が、強力なリーダーシップを発揮し始めたのもこの年だ。
だが若者にとって何より重要だったのは、この年の新卒求人倍率が、戦後初めて1.0を割ったことだろう(大卒者対象)。この事実には、数字以上に深い意味がある。
(中略)
当時リアルタイムで経験した世代にとって、これは衝撃的な出来事だったに違いない。これ以降、世に出る若者の意識は、大きく二分化している。 一つは従来どおり、特に何も考えずに生きてきて、突如立ちはだかる壁を前に困惑するタイプ。そしてもう一つは、レールの代わりに自分が進むべき道を見つけ、そちらに向かって歩き出すタイプだ。
就職氷河期世代について言えば、強烈な買い手市場の中、サバイバルレースに勝ち残って正社員の地位を手にしたのは、圧倒的に後者が多い。そして、彼らはもはや、かび臭い年功序列の教義など一顧だにしない。なぜなら、彼らの目的地はレールの先になど無いのだから。いや、そもそもレールなどというあやふやなものは、最初から信じてはいないのだろう。
(本書046ページより抜粋)
この意見は確かにその通りだと思う。
私はこの01年入社の超氷河期就職組である。内定の時期から仲が良く、一緒に旅行もしそして「俺達は辞めない」と約束した4人だが、その内私も含めて3人が退社した。
どんな優良な企業でも、寿退社や諸々の事情で辞める人というのは必ずいるものだが、我ら01年入社は飛びぬけて離職率が高いと思う。
本書の中で批判されている“年功序列・終身雇用”の雇用形態は私はアリだと思っている。仕事というものはまずほとんどの場合チームワークで行われるのであって、自分ひとり結果を出せば良いというものではない。
その点において長期雇用を前提として働くというのはある意味理にかなっていると思う。
しかしその前提となるのは「年功序列・終身雇用」の形態が自分たちの世代が50歳、60歳になっても護られているということだ。
01年入社の人間たちが大企業や昔ながらの昭和的価値観に馴染まない最大の理由はこのギャップにあると私は思う。
会社の風土はそれぞれだが、その会社が社員を大事にしているかは離職率で分かるものではない。いわゆる「良い会社」というのは、辞めた人間に対して企業がコンタクトを取り続けることができるかである。
そして、辞めた人間がコンタクトを取り続けようと思えるかである。
本書で描かれている昭和的価値観へのアンチテーゼが正しいとまでは私は思わないが、ひとつの方向性は示されているだろう。
ミレニアム内定の01年入社の方々に是非読んでいただきたい。
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この記事へのコメント
1. Posted by
sigma
2008年04月24日 19:12
今の職場は天国だよ。
でも、昨日、職場の人にうちの会社の福利厚生はすばらしいと連呼したら、そんなこと言ったヤツにははじめてあったと言われたよ。
井の中の蛙、大海を知らずとはことのことか。あと、理系推薦で入社しているグループはあんまり実感ないのかもね。